由来、起源と進化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 17:07 UTC 版)
詳細は「Megacheira#大付属肢の対応関係」および「Megacheira#系統位置」を参照 メガケイラ類のアラルコメネウスの中枢神経系。脳神経節のうち中大脳(Dc)は大付属肢の位置(C1/Ga)に対応していることが分かる。 鋏角類の鋏角は大付属肢に相同するだけでなく、それに類似する付属肢から進化した可能性もある。 かつて、メガケイラ類の大付属肢の由来は諸説(前大脳性/先節由来説・中大脳性/第1体節由来説・後大脳性/第2体節由来説)に分かれ、多くの議論がなされていた。しかし2010年代中期以降では、メガケイラ類の大付属肢は中大脳性で上唇/ハイポストーマの直前にあることが分かり、第1体節由来で、鋏角類の鋏角と他の節足動物の第1触角に相同であることが広く認められるようになった。 大付属肢の起源と進化は議論的で、中でもラディオドンタ類の前部付属肢や鋏角類の鋏角との関係性が特に注目される。もし大付属肢は基盤的な節足動物とされるラディオドンタ類の前部付属肢に相同であれば、大付属肢の捕獲用に適した性質(柄部と鋏に特化した肢節・内突起/爪に鋸歯があるなど)は、節足動物の最も近い共通祖先から受け継いでいた祖先形質かもしれない。更に、もしメガケイラ類は基盤的な鋏角類であれば、鋏角類の鋏角は、大付属肢に似た捕獲用の付属肢から進化可能性が高い。しかしこれらの仮説は、往々にして前部付属肢の由来(大付属肢と鋏角に非相同の可能性がある)とメガケイラ類の系統位置(鋏角類に類縁でない可能性がある)の不確実性に疑問を掛けられる。
※この「由来、起源と進化」の解説は、「大付属肢」の解説の一部です。
「由来、起源と進化」を含む「大付属肢」の記事については、「大付属肢」の概要を参照ください。
- 由来、起源と進化のページへのリンク