生活史と関連して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 00:15 UTC 版)
本種は根茎を出し、互いに多少の距離を置いた株の集団を形成し、あるいは一面に広がったカーペット状の大きな集団を形成して生育している。本種は春に新芽を出し、また花茎を伸ばして開花結実するのであるが、その後に根茎を伸ばして葉をつけた株の数を増加させる。種子より発芽したものではその初期に根茎を延ばして株数を増やせることが定着の可能性を高めている。また、根茎には短いものと長いものがあり、コロニー形成の初期には短い根茎を多数出し、集団がある程度大きくなると長い根茎を出すようになる。コロニーはすべて根茎でつながり合った単一の種子に由来する栄養生殖で増加した個体の集団となっている。コロニーを形成している株では短い根茎数本と長い根茎を1~2本出す、という型になっている。他方、カーペット状の集団では個々にはコロニー形成した単一の種子に由来する集団が互いに密接に集まった形となっており、それらの株では根茎の出る数は少なく、また長さは長いものと短いものの中間程度となっていた。これらのことから種子に由来するものは素早く栄養生殖をしてコロニーを形成すること、それに対してカーペット状の集団では種子由来に新規追加はほとんどなく、個々のコロニーは株の増加を抑制して密度を一定に保つ傾向があり、おそらくは他種の侵入を阻むことに意味があると思われる。
※この「生活史と関連して」の解説は、「ヤマタヌキラン」の解説の一部です。
「生活史と関連して」を含む「ヤマタヌキラン」の記事については、「ヤマタヌキラン」の概要を参照ください。
- 生活史と関連してのページへのリンク