生成元と基本関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/09 09:54 UTC 版)
モノイドは、群が生成系と基本関係による表示によって特定できるというのと同じ意味で、表示 (presentation) を持つ。すなわち、モノイドは生成系 Σ と Σ が生成する自由モノイド Σ∗ 上の基本関係の集合を特定することによって決まる。任意のモノイドは、適当な自由モノイド Σ∗ をその上のモノイド合同で割って得られる商モノイドになっていると言っても同じである。 実際、二項関係 R ⊂ Σ∗ × Σ∗ が与えられたとき、R の対称閉包 R ∪ R−1 を ( x , y ) ∈ E ⟺ ∃ u , ∃ v , ∃ s , ∃ t ∈ Σ ∗ s.t. x = s u t ∧ y = s v t ∧ ( u , v ) ∈ R ∪ R − 1 {\displaystyle (x,y)\in E\iff \exists u,\exists v,\exists s,\exists t\in \Sigma ^{*}{\text{ s.t. }}x=sut\land y=svt\land (u,v)\in R\cup R^{-1}} で定義される対称的関係 E ⊂ Σ∗ × Σ∗ に拡張できる。この E は (x, y) ∈ E かつ (x′, y′) ∈ E ならば (xx′, yy′) ∈ E をみたし、さらに反射閉包および推移閉包をとることにより、モノイド合同が得られる。 典型的な状況では、関係 R は単に関係式の集合 R = {u1 = v1, ..., un = vn} として与えられ、例えば ⟨ p , q ∣ p q = 1 ⟩ {\displaystyle \langle p,q\mid pq=1\rangle } は双巡回モノイド(英語版)の生成元と基本関係式による表示であり、また ⟨ a , b ∣ a b a = b a a , b b a = b a b ⟩ {\displaystyle \langle a,b\mid aba=baa,bba=bab\rangle } は次数 2 のプラクティックモノイド(英語版)となる(位数は無限大である)。基本関係式は ba が a および b とそれぞれ可換になることを示すものとみることができるので、このプラクティックモノイドの任意の元は適当な整数 i, j, k を用いて aibj(ba)k の形に表される。
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