生態・形態・分布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/01 21:05 UTC 版)
「ミナミゾウアザラシ」の記事における「生態・形態・分布」の解説
ミナミゾウアザラシはアシカ亜目の中では身体が最も大きい種である。キタゾウアザラシよりも若干大きいが、ゾウアザラシの特徴である象鼻はキタゾウアザラシの方が大きい。雄の体長は6.5m、体重は5tに達することがある。雌は雄に比べてかなり小さく、身体の大きさに関する雌雄間の差は非常に大きい。ハーレム(英語版)を形成する一夫多妻制である。強い雄は、一繁殖期で40頭もの雌を妊娠させることができる。 ミナミゾウアザラシは亜南極圏に生息し、夏は繁殖のために陸上で過ごすが、冬は海洋で過ごす。以前はタスマニア周辺で数多くのミナミゾウアザラシが見られたが、商業的なアザラシ漁によって個体数が減少し、今では年に数回見られる程度である。ニュージーランドや南アフリカの沖でしばしば見られる。 繁殖地は亜南極圏の島々である。中でもサウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島が最も大きな繁殖地であり、全ミナミゾウアザラシの半数はそこで繁殖する。他の主な棲息地はオーストラリア(マッコーリー島・約8万頭、ハード島)、アルゼンチン(バルデス半島)、フランス(ケルゲレン諸島)などである。 ミナミゾウアザラシは深海で餌を捕る。深さ1,700mまで潜水することが可能である。120分もの間潜水したという記録がある。主にイカなどの頭足類やサメを含む大きな魚を食べる。海洋ではほとんどの時間を海中で過ごす。息継ぎのために数分間、海面から顔を出す必要がある。 天敵は、主にホホジロザメやシャチであるが、捕食されるのは子どもや若い個体が多い。成獣はその巨大さゆえ、襲われることは少ない。
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