環状明視野法(エービーエフステム)
【英】:annular bright-field scanning transmission electron microscopy
環状検出器により明視野STEM像を取得する手法。ABF像は環状検出器でダイレクトビームディスク(透過ビーム)の周辺部(10〜25mrad)のみをリング状に検出することで得られる。ABF法では、像はフォーカスや試料厚さによる変化が少なく、かつ原子番号の違いによる強度の差がHAADF像に比べて小さいため、ABF法は軽元素と重元素が混在する結晶中の軽元素コラムの観察に有効である。高分解能STEMに代表的に使用されるHAADF像やダイレクトビームディスク全体を用いる明視野像では、原子番号による強度の違いが大きいため、重元素と軽元素が混在する試料中では重元素のコラムが選択的に観察され、軽元素コラムを観察することが困難である。また、HRTEM像では、焦点はずれ量や試料厚さに依存して原子コラムの強度が大きく変化し、正しい像解釈をするには像のシミュレーションが必要になる。ABF法ではそれらの欠点を取り除き、遷移金属等の比較的重い元素と共にLi原子等の軽元素の原子コラムを同時に観察することができる。
環状明視野法(エービーエフステム)
【英】:annular bright-field scanning transmission electron microscopy
環状検出器により明視野STEM像を取得する手法。ABF像は環状検出器でダイレクトビームディスク(透過ビーム)の周辺部(10〜25mrad)のみをリング状に検出することで得られる。ABF法では、像はフォーカスや試料厚さによる変化が少なく、かつ原子番号の違いによる強度の差がHAADF像に比べて小さいため、ABF法は軽元素と重元素が混在する結晶中の軽元素コラムの観察に有効である。高分解能STEMに代表的に使用されるHAADF像やダイレクトビームディスク全体を用いる明視野像では、原子番号による強度の違いが大きいため、重元素と軽元素が混在する試料中では重元素のコラムが選択的に観察され、軽元素コラムを観察することが困難である。また、HRTEM像では、焦点はずれ量や試料厚さに依存して原子コラムの強度が大きく変化し、正しい像解釈をするには像のシミュレーションが必要になる。ABF法ではそれらの欠点を取り除き、遷移金属等の比較的重い元素と共にLi原子等の軽元素の原子コラムを同時に観察することができる。
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