熱電界放出型電子銃
タングステンチップのエミッタを〜1600Kに加熱して、さらに強い電界をかけてポテンシャル障壁(〜4.5eV)をトンネルさせて電子を放出させる方式の電子銃。エミッタを常時加熱しているため、冷陰極電界放出型電子銃のようにチップの表面に残留ガスが吸着せず、長時間にわたって安定な放出電流が得られる。そのため、微小領域の分析に有利。放出電子のエネルギー幅は〜0.7eVと冷陰極タイプよりやや広い。輝度は 加速電圧200kVで <8×108A/cm2.sr程度、光源の大きさ(バーチャルソースサイズ)は>10nm程度である。ただし、現在はこの型の市販品の電子銃はなく、ショットキー型電子銃にとって代わられている。
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