理想の人物として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 23:16 UTC 版)
アーサーは中世に九偉人(騎士道のあらゆる理念を体現する9人の英雄)の一人に選ばれた。彼の生涯は騎士道を熱望する人々にとって学ぶべき理想と考えられたのである。九偉人の一人としてのアーサーのイメージは最初文学作品によって知られるようになり、次に彫刻家や画家によって頻繁に題材にされた。特にイギリスでは、ライバルであるフランスが国の象徴としてカール大帝を持ち上げたことに対抗して、アーサー王は自国の象徴として持ち上げられた。たとえば、エドワード3世が円卓の騎士に倣ってガーター騎士団を設立したのは有名な話である。しかし、最も影響を受け利用したのはテューダー朝を開いたヘンリー7世であろう。ウェールズ出身の彼は自らの王位を正当化するためにアーサー王を利用し、王太子にアーサーと名付けたのである。ただし、アーサーは早世し、弟のヘンリーがヘンリー8世として即位したためアーサー王が誕生することはなかった。 アーサーは現代の行動規範としても利用されている。アーサーの中世的騎士道の理念とキリスト教的理想を推進するため、1930年代にはイギリスで「円卓の騎士友情騎士団」が組織された。アメリカにおいても数10万の少年少女が「アーサー王の騎士」などといった若者向けグループに参加しており、そこではアーサーとその業績が心身の規範として奨励されている。
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