状況・原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/15 14:53 UTC 版)
病院や医療機関は病気を治療する場であるが、その反面、さまざまな病原体に感染した患者が集まってくる場所であり、また抗菌薬や消毒薬の多用から、薬剤耐性病原体が多い環境である。 院内には、重症の消耗性疾患の患者や外科手術等で感染の危険性が高い処置を受けた患者、あるいは臓器移植手術後の拒絶反応を弱めるために、免疫抑制剤投与を受けて人為的に感染防御能(いわゆる免疫力)を低下させられている患者、抗がん剤投与により骨髄機能や免疫能が低下している患者など、微生物の感染に対する抵抗力が著しく低い、易感染宿主(健康な人には害を及ぼさない弱毒菌によっても感染症をおこす、compromised host)が多い。そのため、平素無害菌による日和見感染の危険性が高いことになる。 感染源である患者と免疫力・抵抗力・体力の衰えた患者が、同一施設内にいるため、感染しやすい状況である。また患者から患者へと感染する以外にも、医師や看護師、あるいは調理員などの医療従事者が病原体の運び役になっている場合や、院外から免疫力の高い保菌者の来院によって感染が引き起こされる場合がある。
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