特別完全版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 06:26 UTC 版)
2001年には、53分の未公開シーンが追加された『地獄の黙示録 特別完全版』(原題:Apocalypse Now Redux )が公開された。この特別完全版では、台風により不時着したヘリコプターと、それに乗っていたプレイメイト達の幕間劇、フランス人入植者たちとの交流のエピソードなども復元された。解説的なナレーションが増えたわけでは無いが、全体的にアメリカ合衆国の偽善や欺瞞を告発するような場面が増え、初公開版とは大きく印象が異なるものとなった。例えばフランス人入植者たちとの会食の席で、ウィラードが「ベトコンを創り出したのはアメリカ人」とその由来を知らされ、愕然とするシーンなどである。 特別完全版のプレミアは初公開時同様、カンヌ国際映画祭で行われた。特別完全版の公開に時を同じくして、アメリカ合衆国はターリバーン勢力の殲滅を名目に、アフガニスタン侵攻を開始。ターリバーンの母体となったムジャーヒディーンを、冷戦中にアメリカ合衆国が支援していたといった事情を考慮し、日本の配給会社によって「コッポラは『地獄の黙示録』でアメリカ同時多発テロ事件を予見していた」という根拠のない内容の宣伝もされた。 なお、特別完全版の日本版予告編でのキャッチコピーは「これはコッポラが産んだ生きものだ」「本物にして最後の映画。アメリカ映画史上最高の傑作。」「戦争。アメリカ。」である。
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