物の要件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 15:09 UTC 版)
物には有体物であるほかに、支配可能性、特定性・単一性、独立性を要するとされる。ただし、これらの要件をめぐっては以下のような問題があるとされる。 支配可能性天体・大気・海洋 私人による排他的支配の可能性がないことから天体・大気・海洋は所有権の客体とならないとされる。ただし、海については通常は支配可能性が否定されるが、排他的支配が可能な場合には所有権の客体たる土地として所有権が認められる(最判昭61・12・16民集40巻7号1236頁)。 人体 近代法の下では人は等しく権利の主体なのであり(権利能力平等原則)、権利の客体とはならないとされる。ただし、死体や遺骨は埋葬管理や祭祀供養の範囲において所有権の目的となり、その所有権は放棄できない(大判昭2・5・27民集6巻307頁)。また、人の身体組織や血液などについては倫理上の観点から取引や処分が制限され、公序良俗に反しない範囲においてのみ権利の客体となる。 特定性・単一性所有権の客体は特定された単一の物でなければならない。例外として集合物譲渡担保や立木法により登記された立木がある。 独立性所有権の客体は独立した物でなければならない。
※この「物の要件」の解説は、「物 (法律)」の解説の一部です。
「物の要件」を含む「物 (法律)」の記事については、「物 (法律)」の概要を参照ください。
- 物の要件のページへのリンク