牛吃草
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/11 21:33 UTC 版)
牛頓問題ともいい、ニュートンが大学の教科書「Arithmetica Universalis」に取り入れた問題が起こりとされる。ニュートンの授業は,初め,難しくて理解できる学生はいなかった。それで、やさしい導入を入れたので,ニュートンは評判をあげた。 そうした工夫の中で生まれた講義録がのちの1707年に出版された『普遍算術(アリスメティカユニバーサルス)』という本だった。この中には「アルキメデスと王冠調べ」に続いて「牛が草を食う問題」というのがあった。 「牛が草を食う問題」はまた今日,中国の数学典故の1つ「牛吃草(牛頓問題)」といわれている。今日これは日本でしばしば『ニュートン算』と称され、典型的な難問文章題の1つのパターンとして中学入試算数にもよく出題されている。中学入試のニュートン算には、「牛が草を食べる問題」から、「窓口に並ぶ客をさばく問題」「泉から水を汲みだす問題」などがある。ニュートン算は広義の「追いつき旅人算」ともみられるが、「旅人算」自身初めは難しいと思われがちなので、別々に教えて,ある程度それぞれを理解したころ合いを見計らって、関連付けた方が分かりやすいという人もいる。 「追いつき旅人算」は位置を移動する2つの者(物)の隔たりの推移に関する問題と言えるが、ニュートン算は移動以外のものの「広義の追いつき旅人算」と言える。 小学生には難解といわれる追いつき旅人算,ニュートン算だが,「速さのたしひき」がコツで,いったんここを通過できると機械的に解けるようになる。だが,水道方式で鳴る,数学者で数学教育学者の東京工業大学名誉教授遠山啓博士は速さなど内包量(度・率など割合の量)のたしひきは教えるべきではないと主張なさっておられた。
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