旅人算とは? わかりやすく解説

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たびびと‐ざん【旅人算】

読み方:たびびとざん

文章題の一。二人旅人の歩く速さ時間・距離の三つの関係をもとに、出会った追いついたりするのに要する時間や距離を求め計算


旅人算

動いている2つのものの速さ時間2つの間の道のりの関係について考え問題

AとBが同じ地点から反対の方向に進むとき

AとBの間の道のり=(Aの速さ+B速さ)×時間

[数式]

AとBが向かいあって進むとき

出会うまでの時間=AとBの間の道のり÷(Aの速さ+B速さ

[数式]

AとBが同じところから同じ方向に同時に進むとき

AとBの間の道のり=(Aの速さ-Bの速さ)×時間

[数式]

AがBを追いかけるとき

追いつく時間=AとBの間の道のり÷(Aの速さ-Bの速さ

[数式]
参考

旅人算

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 17:16 UTC 版)

旅人算(たびびとざん)とは、算数において速さを題材とする文章題の類型のひとつ。動くものが2つあるとき、2つのものの隔たりの推移に関する問題をいう。2つの物の進行方向により、出会い算追いつき算に分けられる。通常は、速さを単純にたし引きして解ける。

公式

  • 向かい合って進む場合(出会い算
    • 出会うまでの時間 = 2地点の距離 ÷ 速さの和
  • 同じ方向に進む場合(追いつき算
    • 追いつくまでの時間 = はじめの距離 ÷ 速さの差

多くの場合はこれらを用いて解く。

例題

次のような問題が典型的である(追いつき算の例)。

太郎さんは午前8時に、毎分60mで歩いて家から学校へ向かいました。寝坊した次郎さんは午前8時15分に、毎分150mの自転車で家を出発しました。次郎さんは、太郎さんを途中で追い越し、太郎さんよりも9分早く学校へ着きました。
(1) 次郎さんが太郎さんに追いついたのは何時何分ですか?
(2) 家から学校までの距離は何mですか?

解法

公式 ・距離 距離=速さ×時間 ・時間 時間=距離÷速さ ・速さ 速さ=距離÷時間

解答

(1) 次郎が出発した時点ですでに太郎は15分間歩いているので、その距離の差は

60 × 15 = 900(m)

である。太郎を追いかけた次郎は、1分間で 150-60=90(m)だけ、その差を縮めることができる。したがって、出発時についていた900mの差を次郎が縮めるには

900 ÷ 90 = 10(分)

かかる。次郎の出発は8時15分だったので、10分を足して8時25分に太郎に追いついたことになる。

(2) 追い越した後は、1分間に90mずつ差が開いていく。それは、次郎の後を追う太郎が 90÷60=1.5(分)で歩ける距離である。次郎が学校に着いたのは

9 ÷ 1.5 = 6(分)

後なので、次郎は合計で 10+6=16(分)自転車で走ったことになる。つまり、学校までの距離は

150 × 16 = 2400(m)

である。

別解

距離 =速さ × 時間
  • 上の公式から「同じ距離を進む場合、時間のは速さの逆比になる」という点に注目する。
  • 線分図を描くと、より容易に理解できる。

速さの比は、

太郎 : 次郎 = 60 : 150 = 2 : 5

であるから、同じ距離を進むのにかかる時間の比は、

太郎 : 次郎 = 5 : 2

である。

同じ距離(家から追いつくまで、または家から学校まで)を進むのに太郎がかかった時間を★★★★★、次郎がかかった時間を★★とすると、その差は★★★である。

(1) 追いつくまで

太郎がかかった時間 … 25分
次郎がかかった時間 … 10分
その差 … 15分

追いつくまでは、差★★★が15分なので、

★ = 15 ÷ 3 = 5(分)

であり、太郎がかかった時間は

★ × 5 = 5 × 5 = 25(分)

である。したがって、8時25分に追いつかれたことになる。

(2) 全体

太郎がかかった時間 … 40分
次郎がかかった時間 … 16分
その差 … 24分

学校までは、太郎のほうが次郎より24分(最初の15分+最後の9分)長く歩いていることになる。 差★★★が24分なので、

★ = 24 ÷ 3 = 8(分)

であり、太郎がかかった時間は

★ × 5 = 8 × 5 = 40(分)

である。太郎の速さは毎分60mだから、家から学校までの距離は

60 × 40 = 2400(m)

である。

進行グラフによる解法

横軸を時間とし、縦軸を距離とする「進行グラフ」を使って解くこともできる。

1次関数による解法

太郎は速さ60m/mなのでy=60x(y軸は距離、x軸は時間。原点を8:00とする) 次郎は速さ150m/mなので、y=150xとしたいが、彼は太郎の15分後に出発しているので、座標(x,y)=(15,0)を通ることから、y=150x-2250となる。追いつく時間は両関数の交点の座標なので、60x=150x-2250を解くと、x=25。故に、8:25に追いつく。次郎のつく時間をtとすると、太郎のつく時間は(t+9)となる。60(t+9)=150t-2250=距離なので、tについて解くと、t=31。60(31+9)=2400。故に2400mとなる。

応用

旅人算の応用として、

  • 3人旅人算 - 2人ずつの3組の旅人算の組み合わせで解く問題
  • 時計算 - 角度から時刻を求める、時刻から角度を求める、針が線対称な時刻を求めるなど
  • 通過旅人算
  • 流水旅人算

などの形で問題とされることがある。

また、経路が環状、複線(平面)、複線(空間)であったり、速さが規則的に変化したりする問題もある。

関連項目


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