煙々羅とは? わかりやすく解説

煙々羅

作者京極夏彦

収載図書百鬼夜行―陰
出版社講談社
刊行年月1999.7
シリーズ名講談社ノベルス

収載図書文庫版 百鬼夜行―陰
出版社講談社
刊行年月2004.9
シリーズ名講談社文庫


煙々羅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/26 18:14 UTC 版)

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鳥山石燕今昔百鬼拾遺』より「煙々羅」

煙々羅(えんえんら)または煙羅煙羅(えんらえんら)は、鳥山石燕による江戸時代の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』にある日本妖怪の一種で、の妖怪[1]

原典

画図では煙の中に不気味な顔が浮かび上がった妖怪の姿で描かれており、解説文では「しづが家のいぶせき蚊遣の煙むすぼゝれて、あやしきかたちをなせり。まことに羅(うすもの)の風にやぶれやすきがごとくなるすがたなれば、烟々羅(ゑんゑんら)とは 名づけたらん。」とある[1]

近藤瑞木によれば、『徒然草』十九段「六月の頃あやしき家にゆふがほの白く見えて、蚊遣火ふすぶるもあはれなり」を踏まえるという[2]

解釈

このことから昭和平成以降の妖怪関連の書籍では、煙々羅とは煙の妖怪、または煙に宿った精霊であり、さまざまな姿になりながら大気中をさまよい、かまどや風呂場から立ち上った煙の中に、人のような顔の形で浮かび上がるものなどと解釈されている[3][4]。また解説文中にある「羅」とは目の粗い薄布を意味し、たなびく煙をこの布のたなびく様子にたとえて「煙々羅」と名づけたとされている[1]

「閻羅閻羅」と表記するともいい、「閻羅」は「閻魔」に通じることから、地獄の業火のイメージがあるとする解釈もある[5]。煙の妖怪であるため、ぼんやりと無心に煙でも眺めるような、心に余裕を持つ人間でなければ見られないとする説もある[5]

煙の妖怪というのはほかに例が無く、珍しい妖怪といえる[6]。煙々羅についての具体的な伝承はなく、石燕による創作妖怪の一つと考えられている[7]

出典

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  1. ^ a b c 稲田篤信・田中直日編 『鳥山石燕 画図百鬼夜行』 高田衛監修、国書刊行会、1992年、204頁。ISBN 978-4-336-03386-4
  2. ^ 近藤瑞木 「石燕妖怪画の風趣」『妖怪文化の伝統と創造』 小松和彦編、せりか書房、2010年、46頁。 ISBN 978-4-79-670297-3
  3. ^ 多田克己 『幻想世界の住人たち IV 日本編』 新紀元社Truth In Fantasy〉、1990年、270頁。 ISBN 978-4-915146-44-2
  4. ^ 草野巧、戸部民夫 『日本妖怪博物館』 新紀元社、1994年、120頁。 ISBN 978-4-88317-240-5
  5. ^ a b 水木しげる図説 日本妖怪大全講談社講談社+α文庫〉、1994年(原著1991年)、84頁。 ISBN 978-4-06-256049-8
  6. ^ 村上健司編著 『妖怪事典』 毎日新聞社、2000年、65頁。 ISBN 978-4-620-31428-0
  7. ^ 村上健司・佐々木卓 『ゲゲゲの鬼太郎 謎全史』 水木しげる監修、JTBパブリッシング、2002年、232頁。 ISBN 978-4-533-04246-1

関連項目


煙々羅(えんえんら)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/04 03:34 UTC 版)

東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery.」の記事における「煙々羅(えんえんら)」の解説

第二話・第三話登場家人が煙に気が付かなければそのまま本当に燃えてしまう煙の妖怪で“今昔百鬼拾遺稗田写本”に封印されていた。小鈴が阿求と共に字喰い虫前述)を退治する為に復活させたが、再封印できず小鈴慌てて煙々羅の資料漁り捕まえ方を霊夢魔理沙教えた

※この「煙々羅(えんえんら)」の解説は、「東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery.」の解説の一部です。
「煙々羅(えんえんら)」を含む「東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery.」の記事については、「東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery.」の概要を参照ください。

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