点スペクトル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 00:55 UTC 版)
「量子力学の数学的定式化」の記事における「点スペクトル」の解説
スペクトルσ(A)の定義より、λがσ(A)に属する場合、A-λIは全単射でない。すなわちA-λIは「全射でない」かもしくは「単射でない」事を意味する。 定義 ― σ(A)の元のうち、A-λIが単射でない複素数λ全体の集合をσP(A)と書き、σP(A)をAの点スペクトルというK12(p30)新井(p92)。 λがσP(A)の元であれば明らかに ker ( A − λ I ) ≠ { 0 } {\displaystyle \ker(A-\lambda I)\neq \{0\}} であるので、 A ψ = λ ψ {\displaystyle A\psi =\lambda \psi } となる0でない ψ ∈ D o m ( A ) {\displaystyle \psi \in \mathrm {Dom} (A)} が存在する。すなわち点スペクトルσP(A)の元はAの固有値であるK12(p30)。σP(A)の元λに対し、 ker ( A − λ I ) {\displaystyle \ker(A-\lambda I)} の0でない元をAのλに対応する固有ベクトルといい、 dim ker ( A − λ I ) {\displaystyle \dim \ker(A-\lambda I)} をλの多重度というK12(p30)。 有限次元の場合と違い、A-λIが単射であるにも関わらず、全射ではない事が起こりうる。よって σ ( A ) ∖ σ P ( A ) {\displaystyle \sigma (A)\setminus \sigma _{P}(A)} は一般には空集合ではない。 σ ( A ) ∖ σ P ( A ) {\displaystyle \sigma (A)\setminus \sigma _{P}(A)} の詳細については後述する。
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