点の等方部分群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 14:48 UTC 版)
アフィン空間 A とその上のアフィン変換群が与えられたとき、A の一点 p に対する等方部分群(固定部分群、安定部分群)は同じ次元の一般線型群に同型である(たとえば、Aff(2, R) における点の等方部分群は GL(2, R) に同型)。特定の点を原点として指定することでアフィン空間はベクトル空間となることに注意すれば、これはベクトル空間 (A, p) 上の一般線型群である。 固定する点 p を q に取り替えることで(一意的に)得られる部分群はすべて互いに共軛となるが、しかしどの点も A における特別な点(内在的な原点)ではないので、それらの部分群のどれもが同等であり、それらのなかに自然に選ばれる特定の部分群というものは存在しない。これは横断的部分群 (transverse subgroup) または短完全列 1 → V → V ⋊ G L ( V ) → G L ( V ) → 1 {\displaystyle 1\to V\to V\rtimes \mathrm {GL} (V)\to \mathrm {GL} (V)\to 1} の分裂写像のとり方が複数あることに対応している。 いっぽう、上でやったように「はじめにベクトル空間 V を与えて」そこからアフィン群を構成した場合には、(ベクトル空間 V には原点という特別な点がもともと内在するので)V の原点を固定する等方部分群は、もともとの V 上の一般線型群 GL(V) そのものである。
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