漢方医学的病理観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 04:32 UTC 版)
中国北宋代の『和剤局方』の婦人諸病門に「逍遙散」という漢方処方があり、その処方名を矢数道明は「よく婦人の血の道の雑多なる主訴、逍遙翺翔(しょうようこうしょう:フラフラ飛び廻る様な)として定まらないものを治す」との意味であり、捕えがたい血の道の病態によく合致するとしている。 これらの症状・愁訴は、漢方医学的には、気・血・水(き・けつ・すい)の変動、鬱滞や不均衡によっておこると考えられ、瘀血(おけつ)によるものが最も多い。 気によって起る症状:不安、焦燥、のぼせ、動悸、多怒、易怒、抑うつなど血管運動神経や精神神経障害による諸症状で、月経の激変に際する情動の激化や生来の神経質など感情に支配される。 血(瘀血)によって起る症状:頭痛、眩暈、動悸、熱感、冷え、しびれなど血管運動神経や精神神経障害、知覚障害症状が起こる。分娩、流産などの後で発生することも多い。 水(水毒)によつて起る症状(1.2.に合併することがある):頭痛、頭重、耳鳴、眩暈および不眠等の神経症状。胃内停水を認める。
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