渓流環境の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/22 07:47 UTC 版)
森林が成立している場合、むしろ、渓流は生物が豊富な場所と考えられる[要出典]。水生生物の生活の場として見た場合、渓流は以下のような特徴がある。 流速が速い。停滞した水域はごく狭い。[要出典] 酸素溶存量が高い。[要出典] 水温は低くて安定している。[要出典] 沈殿有機物が少なく、底質は岩がちである。[要出典] 光の入射量が少ない。[要出典] 水質は貧栄養で清冽である。[要出典] 流速が速いことから、遊泳性の動物にとっては、強い遊泳力をもつことを必要とする。さもなければ、岩の表面に張り付くかその下に潜り込む必要がある。酸素溶存量が多いのは、急流で水面が撹拌されるので、大気よりの酸素の供給が大きいためである。水温が低いことは一般的には生物の活動には不適であるが、冬季の水温低下はむしろ少なく、その点では有利である。水中で生じる有機物や、外部から流入する有機物(落葉など)は、水流が速いためなかなか沈殿せず、よどみなどに沈殿しても水温が低いために分解が遅い。また、酸素の供給が多く、好気的に分解されるので汚水になることがなく、分解産物は流し去られる。そのため、水底には泥や砂が少なく、それに潜り込んで生活するような動物はその場に乏しい。滑らかな岩の表面に張り付くことのできる生物が有利である。 地形的に上空の開きが狭いことと、森林内であることも多いので、光は入りにくい面がある。そのため渓流の水中には大型の植物は少ないし、周辺の植生も陰地性のものが多い。また、水質が貧栄養なのは、雨水が土壌層を通っただけで流入すること、先にも述べたように有機物の分解が盛んでなく、分解物質は流出するためである。
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