液相における分子構造のモデル化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 14:38 UTC 版)
「水の性質」の記事における「液相における分子構造のモデル化」の解説
液相の水の中では分子同士が水素結合により緩やかに結合していると考えられるが、その構造の詳細は知られていない。ケンブリッジ大学の教授が1930年代「連続体モデル」を提唱、氷の時と同じように4個の分子が正四面体を作って固まっており、それが若干のゆがみがあっても同じ構造が続く連続体であるという考え方である。 「ミクロ不均一モデル」は、つながった状態とつながりが切れた状態の2つが入り交じっているという考え方である。水が4 °Cで最も比重が大きくなる理由を説明するために、1892年にヴィルヘルム・レントゲンによって提唱され、考えられた。 2008年、理化学研究所のチームがSPring-8を使った軟X線による発光分光実験で不均一モデルとの対応を示す2つのピークを観察した。この実験では、液体構造が連続体モデルで説明できる場合、観測されるピークは1つであるが、実験結果には2本のピークが現れた。この後、X線小角散乱による実験結果などと合わせてから氷によく似た構造と水素結合に欠損のある構造の2種類の成分からなる秩序構造が水の中に存在しているという仮説が提唱されている。
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