消化、排泄、生殖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 15:36 UTC 版)
鳥類の消化器系は独特である。まず食べたものを一時的に貯蔵するための素嚢(そのう)がある。素嚢の役割は種類によって異なり、食いだめをする種類や素嚢から吐き戻した食物や素嚢から分泌される素嚢乳を雛鳥に餌として与える種類がいるほかダチョウ類のように素嚢を持たない種類もいる。素嚢に蓄えられた食物は胃に送られるが、胃は前胃と筋胃の二つに分かれている。前胃は腺胃とも呼ばれ、内壁に多数の消化腺があり、消化酵素および酸性分泌物を出す。筋胃は砂嚢(さのう)とも呼ばれ、筋肉が発達しているほか、飲み込んだ砂粒が入っており、この筋胃で食物をすりつぶすことで、歯のないことを補っている。ほとんどの鳥類は、飛翔を助けるため、すばやく消化することに高度に適応している。渡りを行う鳥のなかには、腸の蛋白質といった、その体のいろいろな部分からの蛋白質を、渡りの間の補助的なエネルギー源として使用するようになっているものがある。 鳥類は爬虫類と同様に、基本的には尿酸排泄性である。すなわち、その腎臓は血液中の窒素廃棄物を抽出して、これを尿素もしくはアンモニアではなく、尿酸として尿管を経由して腸に排出する。鳥類には膀胱ないし外部尿道孔がなく(ただしダチョウは例外である)、このため尿酸は半固体の廃棄物として、糞と一緒に排泄される。ただしハチドリのような鳥類は、条件的アンモニア排泄性であり、ほとんどの窒素廃棄物をアンモニアとして排出することができる。さらに鳥類は、哺乳類がクレアチニンを排泄するのに対して、クレアチンを排泄する。この物質は、ほかの腸の産生物と同じように総排出腔から出る。総排出腔は多目的の開口部で、排泄物はこれを通して排出され、鳥が交尾するときにはそれぞれの総排出腔を接触させ、そして雌はそこから卵を産む。これに加えて、多くの種がペリット(ペレット、pellet)の吐き戻しを行う。
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