海との結婚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 06:10 UTC 版)
海との結婚とはヴェネツィアにおいて海上の覇権を象徴する非常に重要なイベントであり、1000年ころにPietro II Orseolo総督がダルマチアを征服したころに確立されたといわれる。当初海との結婚では厳粛なゴンドラの行列が、1311年からは総督の乗るブチェンタウロを先頭にリド近海へと出港した。そこでは「海を渡る誰ものために、海が穏やかでありますように」という祈りが捧げられ、総督たちに聖水がふりかけられたあと聖歌隊がAsperges me hyssopo, et mundaborという歌を歌う中、残りの聖水が海へと撒かれた。この儀式にキリスト教的な意味合いが加えられたのは1117年にヴェネツィアが神聖ローマ帝国のフリードリヒ1世と争ったことへの感謝のしるしとして、教皇アレクサンデル3世が自分のしていた指輪をヴェネツィア総督に与え、毎年指輪を海に投げ込むよう言ったのが始まりである。これ以降この儀式は戦いへの慰めのような意味合いから結婚という形へと変わっていった。それ以来毎年ヴェネツィア総督は献納された指輪を「Desponsamus te, mare(われわれは汝、海と結婚する)」というラテン語のフレーズとともに海へ投げ込み、海とヴェネツィアが一心同体の関係にあることを宣言している。
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