沓頬とは? わかりやすく解説

沓頬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/28 03:31 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
鳥山石燕百器徒然袋』より「沓頬」

沓頬(くつつら)は、鳥山石燕による妖怪画集『百器徒然袋』に描かれている日本妖怪[1][2]

概要

(くつ)をのせている動物と人間のような姿の妖怪である。『百器徒然袋』での解説文には、

鄭瓜州(ていくはしう)の瓜田に怪ありて瓜を喰ふ 霊隠寺の僧これをききて符をあたふ これを瓜田におくに怪ながくいたらず のち其符をひらき見るに 李下不正冠(りかにかぶりをたださず)の五字ありと かつてこの怪にやと夢のうちにおもひぬ

とある。鄭瓜州(ていかしゅう)とは中国の詩人・杜甫の友人である鄭審(ていしん)のことで杜甫の詩「解悶」などに見られる[3]。また霊隠寺(れいいんじ、りんにんじ)とは中国の杭州にある雲林禅寺のことである[4]ウリの畑に現われてウリを食べてしまう妖怪がいたが、寺からもらった霊符(中身は「李下不正冠」と書いてあるだけだった)を置いておいたところ、その妖怪現われなくなったという中国の妖怪についての話が内容としては書かれており、この沓頬もそれであろうと石燕は述べている。ウリ畑にあらわれたというこの中国の妖怪の説話および詳細は不明である。

石燕は長冠とおなじ見開きに沓頬を描いており、この2体は中国ことわざ田に履(くつ)を入れず下に冠(かんむり)を正さず」および、『徒然草』に冠(65段)と沓(66段)が登場することをモチーフにして創作されていると考えられている。また、室町時代の妖怪絵巻『百鬼夜行絵巻』に描かれている浅沓(あさぐつ)をのせたヤマアラシのような形の妖怪がモデルになって描かれたと考えられている[1][4]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 高田衛監修 稲田篤信・田中直日編『鳥山石燕 画図百鬼夜行』国書刊行会、1992年、269頁。ISBN 978-4-336-03386-4
  2. ^ 村上健司編著『妖怪事典』毎日新聞社、2000年、144頁。 ISBN 978-4-620-31428-0
  3. ^ 井口駒北堂 『杜子美詩集評釈』 大学館 1907年 291-293頁 「解悶」は瓜を見て友や国を懐かしむという内容の漢詩である。
  4. ^ a b 水木しげる『決定版日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様』 講談社講談社文庫) 2014年 ISBN 978-4-06-277602-8 269頁

関連項目


沓頬(クツツラ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/04 03:34 UTC 版)

東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery.」の記事における「沓頬(クツツラ)」の解説

第十三話に登場。元々は中国の諺から生まれた妖怪妖魔本から抜け出た魔力の塊が、小鈴の靴に乗り移ったもの。諺の通りに瓜と盗み、完全な妖怪になろうとしていた。一度は瓜を盗んだが、魔理沙退治された。

※この「沓頬(クツツラ)」の解説は、「東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery.」の解説の一部です。
「沓頬(クツツラ)」を含む「東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery.」の記事については、「東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery.」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「沓頬」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「沓頬」の関連用語

沓頬のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



沓頬のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの沓頬 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery. (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS