永久要塞の欠点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 09:12 UTC 版)
永久要塞の欠点は整備や補修に多額の費用がかかる事と動けないことである。例えば、日本の沿岸要塞は幾度となく廃止・新設が行われたがこれらは根本的な改築を要した。 また、第二次世界大戦中においては、航空機や戦車を中心とする機甲戦が広まるとこれらに対して永久要塞は防戦一方の姿勢を取らざるをえなかった。それどころか迂回されて戦局に寄与できないという最悪の事態が発生するようになる(例:マジノ線)。このため、第二次世界大戦後においては多額の費用を投じて永久要塞が構築されることは殆どなくなった。 要塞の根本的な欠点として要塞の裏側は入口であり、武器弾薬や兵員の搬入を容易にしている場合が多く、迂回を受けるとほとんど防御機能を発揮しない。一定の方向からの防御に特化しているため違う方向から攻められると著しく弱体化する。著名な要塞を喪失した場合、軍隊は士気を失う可能性が高く、戦略的な退却が困難になる。武器や兵員の配置が固定化することは相手方の作戦立案を容易にする。常に同じ場所に攻撃目標があるなら綿密に計画した軍事演習を繰り返せば容易く攻略できてしまう。要塞の前方に味方を配置した場合、その味方の退却を妨げてしまう。従って要塞前方から攻められるリスクが下がり、要塞前方は却って敵にとって安全になる。 現代の軍において築城は野戦築城をさす場合がほとんどである。
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