氷床の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 02:32 UTC 版)
これまでの氷床の増減については、2007年のIPCC第4次評価報告書による既存の報告のまとめでは、いずれも西南極においては減少、東南極においては増加もしくは横ばいで推移してきたと見積もられた。南極半島周辺では、広範囲で氷河が後退していると見られることが報告された。一方で1961~2003年の間の南極全体での増減の見積もりについては、平均年間100Gtの増加から200Gtの減少まで幅があった。 近年は雪氷や氷床の減少が複数報告され、IPCC第4次評価報告書の見積もりよりも海面上昇幅が大きくなる可能性が指摘されている。2007年には雪氷の融解地域の拡大等が確認されている(右図)。2009年には既に融解が観測されていた西南極氷床だけではなく、安定していると見られていた東南極氷床でも氷量の減少が報告されている。またラーセン棚氷のような大規模な棚氷の崩壊によって陸上の氷が海に流入・融解する速度が速まることが懸念されている。2010年の報告では、世界の海面上昇量がIPCC第4次評価報告書の記載値(最大59cm)を上回り、今世紀中に1~2mを超える可能性が指摘されている。 「南極氷床」も参照
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