水中用のたいまつ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/08 04:24 UTC 版)
たいまつの火をつける部分に硫黄と石灰を混ぜたものを使用すると、水の中に入れられた後でも炎が消えないたいまつが出来上がる。こうしたたいまつは古代ローマで用いられた。 忍者は火薬を応用したたいまつを用いており、これを「忍び松明」「水松明」と呼び、竹筒に火薬をつめたもので、水に潜らせても火が消えないとされる。現存するものとして、全長約70センチ、太さ7センチ、竹の皮で覆い、桐の把手があり、柄には文化12年の墨書も見られる。また、軍事面では、たいまつは放火する際の火種となった。 水中用たいまつについては兵法書にも見られ、上泉信綱伝の『訓閲集』(大江家の兵法書を戦国風に改めた書)巻四「戦法」の中の「用火の秘方」において、「水中、豪雨、火無くしてともす炬(たいまつ)の秘方」の記述があり、薬品を竹炬の中に包むなど忍者が用いた水松明と類しており、「水に付けてしばらくして上げると火がつき」、これを「不知火という秘方」であると記している。 この他、雨中に使用するたいまつに硫黄を用いる記述は、江戸期の『和漢三才図会』「炬」の項にみられる(焼酎などの記述もみられ、水中でも消えないとする)。 現代でも水中用の発炎筒が用いられているが、化学薬品を用いているという点では同じである。
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