気象学における夕立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 14:26 UTC 版)
夕立という現象は、気象学的には驟雨、にわか雨、雷雨、集中豪雨といった現象にあたり、「夕立」という独立した現象があるわけではない。ただ、通常の驟雨などに比べて発生する時間帯などが特徴的で、一般的によく知られているため、日本では「夕立」という用語を気象学でも(特に天気予報で)用いる。 現象としては、急に発達した積乱雲によりにわか雨を降らせ、雷、突風、雹(ひょう)などを伴うことがあるものである。 時間帯では、正午を過ぎたころから日没後数時間までに発生するものを指す。これに対して、早朝に発生するにわか雨を「朝立」と呼ぶこともあるが、夏特有の現象というわけではなく、単純に早朝に発生するにわか雨のことを指しているだけで、あまり使用されない言葉である。 時期では、梅雨明け頃から秋雨が始まるころまでで、夏の晴れが多い時期に発生するものを指す。異常気象により最近では、5月から6月にも夕立が見られるようになった。さらに、これまた異常気象のせいで、近年の夕立はもはや夕立などと風情のあるものではなく、ゲリラ豪雨の形を取ることが多い。[要出典] 前線、特に寒冷前線通過に際しても、突発的な強雨、強風、雷などの夕立に似た現象が起きるが、この場合は季節や時間を選ばず広範囲に起こるので、夕立とは区別される。また、低気圧の周辺で発生するもの、台風の周辺で発生するものも夕立とは呼ばない。
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