歴史と重要性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/03/02 01:42 UTC 版)
ヌードマウスは1962年、グラスゴーにあるルーチル病院のブラウンリーウイルス学研究室においてN. R. Gristによって発見された。胸腺を欠いているため、ヌードマウスは成熟T細胞を作り出すことが出来ない。ゆえに、以下のようなほとんどの免疫応答を備えることができない。 CD4+ ヘルパーT細胞を必要とする抗体形成 CD4+ T細胞とCD8+ T細胞の両方あるいはどちらかを必要とする細胞性免疫応答 遅延型過敏応答(CD4+ T細胞を必要とする) ウイルスが感染あるいは悪性化した細胞の殺害(CD8+ 細胞傷害性T細胞を必要とする) 移植片拒絶(CD4+ T細胞とCD8+ T細胞の両方を必要とする) 上記の特徴のため、ヌードマウスは実験室において免疫系、白血病、固形腫瘍、AIDSやハンセン病のようなその他の免疫不全疾患の情報を得るために使われている。さらに、機能するT細胞が欠如していることによって同種移植片だけでなく、異種移植片でさえも拒絶できない。 ヌードマウスのほとんどの血統は、わずかに「漏れ」があり、特に年を取ると少ないT細胞を有している。この理由のため、ヌードマウスは現在の研究ではあまり人気がなく、免疫系がより完全に欠如しているノックアウトマウス(例えばRAG1およびRAG2ノックアウトマウス)が使用される。
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