やんごとなき
「やんごとなき」は、「高貴である、家柄や身分がとても高い」または「特別に大切である、放っておけない」という意味で用いられる古語または雅語である。「やんごとなき」は「やむごとなし」の連体形であり、名詞を修飾する。
「やむごとなし」は漢字では「止む事なし」と表記される。もともとは「(その状況が)終わを迎えることは決してない」というような意味合いの表現であり、転じて「捨て置けない」「とても大事だ」「尊ぶべきだ・高貴だ」という意味が派生したと解釈される。発音上は撥音便(ん音便)が生じて「やむごと → やんごと」と変化している。
「やむごとなし」は古語として既に廃れており、現代語には残っていない。その連体形である「やむごとなき(→ やんごとなし)」は、古語由来の雅な表現として、現代でも用いられることがある。
「やんごとなし」は方言ではない。
「やんごとなき人」の意味
「やんごとなき人」の意味は、貴人、名家の出身の人。「いわゆる上級国民」の意味で(揶揄を込めて)「やんごとなき人」と呼ぶ場合もあり得る。「やんごとなき一族」の意味
「やんごとなき一族」の意味は、名家の一族、高貴な家柄の一門。あるいは名家そのもの。フジテレビ系列のテレビドラマ「やんごとなき一族」は、こやまゆかりの漫画の実写化作品である。清貧な主人公の女性が、江戸時代から続く名家の御曹司と恋に落ち、そして名家の華やかさの裏に潜む伏魔殿のようなドロドロの世界に飛び込んでゆく物語を描く。
「やんごとなき事情」の意味
「やんごとなき事情」の意味は「のっぴきならない用事」や「どうしても外せない大事な用事」、あるいは「とても重要な事柄・大事」「特別な理由」など。「やんごとなき事情」という場合の「やんごとなき」は、「高貴な」という語義ではなく、「特別の」「大切な」という語義である。
止む事無き
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