次第高
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/01 10:21 UTC 版)
概要
島根県江津市二宮町[1]、跡市町[1]、都野津町[1]、山口県岩国市[2]、厚狭郡[3]、阿武郡[3]、広島県[2]、岡山県などに伝わっている[2]。
道の上に現れる人型の妖怪であり、目にした人が上を見上げると次第高の背がそのぶん高くなる。見下ろせば逆に低くなるが、見下ろさない限りどんどん高くなってゆく[4]。
従って、次第高に出遭ってしまった場合は、決して目を上に向けてはならない。逆に下へ下へと目を向ければ、次第高はどんどん小さくなっていって、しまいには消え去ってしまう[5]。島根県邑智郡桜江町(現・江津市)川戸では、次第高が出たときには、股の下から見なくてはならないという[1]。見越入道の仲間であり、高入道、入道坊主、伸上りなどと同類の妖怪とされる[6][5]。
島根県江津市波積町に伝わる民話によれば、猟に出たときにはどんなに獲物が獲れても、次第高が現れたときに備え、次第高を仕留めるために最後の1発の弾を残しておくよういわれていた。江津市松川町では次第高は猫又の親分格ともいい、ある猟師が浜で次第高を仕留めると、その正体はやはり猫又だったという[7]。
また、島根県にはしだい坂(しだいざか)という似た名称の怪異の伝承もある。三瓶山への道を人が歩いていると、道がどんどん登り坂に変化し、人が驚いて道を見上げると、この坂全体が大きくのしかかってその人を捕らえてしまうといわれるものだが[8]、これは次第高が伝承されるにつれ、名称や伝承内容が変化したものとの説がある[5]。
脚注
- ^ a b c d “民話館 三枚のお札”. 出雲かんべの里. 2008年11月8日閲覧。
- ^ a b c 村上健司編著『日本妖怪大事典』角川書店〈Kwai books〉、2005年、163頁。ISBN 978-4-04-883926-6。
- ^ a b 大藤時彦他 著、民俗学研究所 編『綜合日本民俗語彙』 第2巻、柳田國男監修、平凡社、1955年、693頁。 NCID BN05729787。
- ^ 柳田國男「妖怪名彙」『民間伝承』第4巻第1号(通巻第37号)、民間伝承の会、1938年9月、12頁、NCID AN00236605。
- ^ a b c 水木しげる『図説 日本妖怪大全』講談社〈講談社+α文庫〉、1994年(原著1991年)、252頁。ISBN 978-4-06-256049-8。
- ^ 多田克己『幻想世界の住人たち』 IV、新紀元社〈Truth In Fantasy〉、1990年、99頁。ISBN 978-4-915146-44-2。
- ^ 藤井和子 (2004年10月18日). “次第高”. スーちゃんの妖怪通信 〜日本の民話・妖怪・昔話 語りおろし〜. 2008年6月23日閲覧。
- ^ 谷川健一監修『別冊太陽 日本の妖怪』平凡社、1987年、135頁。ISBN 978-4-582-92057-4。
関連項目
次第高(シダイタカ)
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本来はかなり小さいが、段々と大きくなって見上げるものを押し潰す妖怪。竜ヶ峰の自分を大きく見せたいという願望に引き寄せられて取り憑き、彼女が嘘をつくたびに巨大化する。嘘がばれかけた時にその意識を乗っ取り実体化しかけたが、綾女との相撲勝負に敗北、孝の説得により竜ヶ峰から落とされクロトゲに倒される。
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