構造的大目標の撃破確率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 08:20 UTC 版)
構造的大目標の命中は一定距離以内の射弾と定義され、目標中心から距離R 以内の弾着での命中の特性は、次の式で表される。 H ( x ) = { 1 , (hit) | x | ≦ R 0 , (miss) | x | > R {\displaystyle H(x)={\begin{cases}1,{\mbox{(hit)}}&|x|\leqq R\\0,{\mbox{(miss)}}&|x|>R\end{cases}}} 命中弾がj 発の場合の条件付きの目標撃破確率Dj を定義すれば、次のようになる。 構造的大目標の抗甚性、または脆弱性 銃砲弾・爆弾の弾種や加害能力 目標中心と弾着点との相対位置 目標撃破の基準 命中弾数 (j ) 1から3は目標への損傷程度を規定し、損傷程度が4の目標撃破の基準を上回れば撃破となる。 n 発中j 発の命中弾がある確率をPj とすれば、目標撃破確率P は、次の式で表される。 P = ∑ j = 1 n P j D j {\displaystyle P=\sum _{j=1}^{n}P_{j}D_{j}} ただし、条件付きの目標撃破確率Dj は容易には得られないため、経験的な推定を含めた近似によって最終的な目標撃破確率P は求められる。 最も簡単なDj の近似としては、0 と 1 の階段関数でj がk を越えるとDj = 1 となるものである。 D j = { 0 , j ≦ k − 1 1 , j ≥ k {\displaystyle D_{j}={\begin{cases}0,&j\leqq k-1\\1,&j\geq k\end{cases}}} この階段関数はあまり良い近似とは言えず、より精度の高い近似として損傷関数の考えを用い、目標に致命的部位が存在するものとして目標の撃破に至るまでの過程をより実体に近づけるものである。この致命的部位への命中確率、つまり条件付き撃破確率をD として命中弾をj 発得る目標撃破確率Dj は、次の式で表される。 D j = 1 − ( 1 − D ) j {\displaystyle D_{j}=1-(1-D)^{j}} これまで扱った損傷関数は単峰関数であったが、大目標の致命的部位の分布は複数存在すると仮定して目標撃破確率Dj の1次元分布損傷関数D (x ) はいくつかの山を形成する。また、目標への命中関数H の1次元分布H (x ) は損傷関数D (x ) を内包する 0 と 1 の階段関数となる。 目標への命中関数の分布H (x ) が一様であると仮定すると、1発の命中弾によって致命的な被害を与える確率D は、次の式で表される。 D = ∫ − ∞ ∞ D ( x ) d x ∫ − ∞ ∞ H ( x ) d x {\displaystyle D={\frac {\int _{-\infty }^{\infty }D(x)dx}{\int _{-\infty }^{\infty }H(x)dx}}} 条件付き撃破確率D が一定で独立であるとすれば、最終的な目標撃破確率P は、次の式で表される。 P = ∑ j = 1 n P j D j = 1 − ( 1 − p D ) n {\displaystyle P=\sum _{j=1}^{n}P_{j}D_{j}=1-(1-pD)^{n}} p :1発の射弾の命中確率
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