構造の意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/05 02:01 UTC 版)
ソテツのような花を見れば、ひとつの花に多数の胞子葉がある形は、特に珍しいものではない。裸子植物はほとんどがそうである。被子植物においては、雌蘂は花の中央に集まっているが、胞子葉に当たる心皮は単一の場合、複数に分かれている場合、複数あるがひとつにまとまっている場合がある。単一の場合はともかく、複数ある形(離生心皮)は、複数がまとまってひとつになった形(合生心皮)よりも、個々の胞子葉が独立しているから、それだけ原始的なものと見なされる。 単一心皮の例にはマメ科やアブラナ科があり、胚珠は2列(心皮の両側)に並ぶ。 合生心皮の例には、花の個体発生過程で実際に融合が起こるものと、先天的に花柱まで融合しているものがある。後者では融合様式に次の2種類がみられる: 心皮が周囲またはその近くで融合したもの。ふつう単一の大きな子房室をつくる。スミレなど。 心皮が折りたたまれて中心に向かって伸び、外側で融合し、胎座が中央の柱の周りに配列したもの。心皮と同じ数の子房室ができることもあり、花托組織が構造形成に関わることもある。ユリなど。 またさらに、心皮の融合が根元だけで起こり、花柱が分裂したまま(または先の方だけ分裂している)のものもある。
※この「構造の意味」の解説は、「雌蕊」の解説の一部です。
「構造の意味」を含む「雌蕊」の記事については、「雌蕊」の概要を参照ください。
- 構造の意味のページへのリンク