概念集
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1989年1月に『概念集・1』を出してから、1996年5月死の直前に刊行された、『概念集・別冊2~ラセン情況論~』まで14冊、松下は概念集というタイトルのパンフを執筆・刊行し続けた。 例えば全共闘運動について、松下は「自分にとっての必然的な課題と、情況にとっての必然的な課題を対等の条件で共闘させること」という規定を与える。全共闘運動を知らない読者に対しても、それらの本質を、経験ないし思考を媒介して言葉によって伝えていくことができるはずだ、と松下は考えたのだ。それは辞書ないし作品を意図したものではない。現在の思想情況の総体の鍵になるような概念を選び出し、わたしたちが置かれている偏差を対象化していくことを目的としたものである。 「たんに概念の解説ではなく、ある概念の生成してくる根拠や回路を共有する度合で了解しうる言葉で表現しなければならないし、しかも、はるかな異時・空間にいる、全く予備知識のない〈私〉が了解しうる言葉で表現しなければならない」という趣旨で書かれている。
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