業績の測定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 01:52 UTC 版)
ヘッジファンドは業績を何らかの中央レポジットリーに報告する必要がなく、投資の公募と宣伝が規制されているため、多くのファンド・マネージャーは業績の公開を拒否しており、そのため個別のヘッジファンドの投資実績統計を獲得するのは至難の業である。しかし、個別ではなく全体の要約は業界誌やデータベースや投資コンサルタント会社が提供することもある。 ヘッジファンド8,400社のデータに基づき、ヘッジファンドの平均利益率を毎年11.4パーセントとする概算があり、これは市場全体の手数料差引前利益より6.7パーセント上である。またもう1つの概算では2000年1月から2009年12月まで株価は平均で毎年2.62パーセント下落した一方、ヘッジファンドは6.54パーセント上がった上、ボラティリティもより低いという。しかし、より新しいデータを使った概算では、ヘッジファンドの業績は下がり、市場全体よりも下となった。 ヘッジファンド業績の測定ではリターンとリスクの概算が比較される。よく使われる測定値にはシャープ・レシオ、トレイナー・レシオ、ジェンセンのアルファなどがある。これらの測定値はリターンが正規分布に従い、自己相関がない場合に最も役に立つが、実際にはリターンがどちらの仮定にも満たさない場合が多い。 理論上の問題がある伝統的な測定値に代わり、新しい測定値の導入が試みられた。例としてはシャープ・レシオを修正したもの、キーティングとシャードウィックが2002年に発表したオメガ・レシオ(英語版)、シャルマが2004年に発表したAIRAP、カプランとノウルズが2004年に発表したカッパなどがある。
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