核軍縮の実質的な進展のための賢人会議
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/09 21:30 UTC 版)
「賢人会議」の記事における「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」の解説
同じく核軍縮における賢人会議としては、日本の岸田文雄外相の提唱で2017年(平成29年)に発足した「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」がある。同賢人会議は核兵器保有国と非核保有国との間で核軍縮を巡る対立が深まったことを踏まえ、諸国間の信頼関係の再構築と核軍縮の進展につなげることを主眼に日本の外務省が主催したもので、座長にはアジア経済研究所所長の白石隆が就任。核兵器のない世界に向けた政策提言を取りまとめている。同賢人会議は同年11月27日、広島市で開催され、米国やロシアなどの核保有国と豪州、ドイツなどの被核保有国、核兵器禁止条約に賛成したエジプトやニュージーランドの研究者や外交官など計16人で構成し、2017年の会議では被爆地の広島・長崎から小溝泰義広島平和文化センター理事長、朝長万佐男日本赤十字長崎原爆病院名誉院長らが出席している。会議当日は参加者らで広島市内の平和記念公園で原爆死没者慰霊碑に参拝した後、広島平和記念資料館で被爆者の女性から英語の解説を聞くなど、原爆の被害について案内が行われた。オープニングセッションでは、座長の白石の講演で「核兵器なき世界」に向けた各国共通の基盤を見つける意義が提唱され、その後、参加国間による協議が行われた。27、28日にわたる同会議では核軍縮に向けた具体的な方策が検討されたが、核保有国、非核保有国の委員の認識の差が埋まらず閉幕。橋渡し役の日本には難しい舵取りとなった。
※この「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」の解説は、「賢人会議」の解説の一部です。
「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」を含む「賢人会議」の記事については、「賢人会議」の概要を参照ください。
- 核軍縮の実質的な進展のための賢人会議のページへのリンク