柚子鰤王の開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/26 04:43 UTC 版)
果物などに含まれるポリフェノールに魚の変色を抑える効果があることは知られており、高知大学農学部准教授・深田陽久(ふかだはるひさ:魚類栄養生理学)は柚子の抗酸化作用が魚に有効か、成長に悪影響が無いかを研究していたところ、2005年頃、ブリの身に柚子の香りがすることをみつけ、その後に柚子(ユズ)を餌に混ぜる実証実験などで、柚子の抗酸化作用で赤身が褐色に変色するのを抑える鮮度保持の効果や、柚子の香り成分であるリモネンやミルセンにより、脂分はそのままでも“さっぱり感”が増し、魚の生臭さも抑えられることを見出した。 深田陽久の指導を受けて、高知県宿毛湾で柚子の絞った後の果皮をブリの餌に混ぜる「高知モデル」が養殖されたり、鹿児島県長島町の東町漁協では、柚子果汁を餌に混ぜ、柚子の香りが身に乗ったブリ「柚子鰤王」(ゆずぶりおう)を2007年に開発した。高知大学の説明では、「高知モデル」は柚子皮で魚の臭いの除去を一番の目的としており、「柚子鰤王」は柚子の香りを載せることを一番の目的とし、高知モデルは果汁を絞った後の処分に困る柚子皮の利用も目的としている。フルーツ魚の火付け役は、この「柚子鰤王」とされる。なお、高知県にはカンパチに柚子を与えた「ゆずかんぱち」もある。
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