林勝哉社長の解任とMBO失敗
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「シャルレ」の記事における「林勝哉社長の解任とMBO失敗」の解説
2008年9月19日に、マネジメント・バイアウト(MBO)実施を発表。創業家の資産管理会社でシャルレ(当時の商号はテンアローズ)の大株主である2社(有限会社サザンイーグル、有限会社オットー)を、モルガン・スタンレー系の投資ファンドが設立した株式会社Tomorrowが創業家から買取り、この2社が株式公開買付け(9月22日~11月5日)を実施し、買付け終了後に創業家が株式会社Tomorrowに出資をして、モルガン・スタンレーが51%、創業家が49%の株式を保有するというものであった。 取締役会は、MBO実施の公表に際して、これに賛同する旨を表明していた。しかし、後に内部通報により、この決議に利害関係人である林勝哉社長(当時。林勝哉は林雅晴・宏子創業者夫妻の長男)が関与し、買取り価格を低く誘導していた疑いが明らかになる。そこで同社は、10月26日にこの調査のために、外部の有識者からなる第三者委員会を設置し、10月31日に、第三者委員会は利益相反行為があったとの疑念を払拭できない旨の調査報告を行う。11月18日に、大阪証券取引所が改善報告書の提出を請求したため、12月2日に改善報告書を提出したものの、不十分として12月16日までの再提出を求められた。これと同時に、12月2日には、取締役会が、MBOの一環として行われる公開買付けに対して賛同を撤回する旨の意見を表明するとともに、代表執行役社長である林勝哉を解任した。1年半の間に2代続けて社長が解任されるという事態となっている。 この経営混乱から、MBOへの資金提供を予定していた三菱東京UFJ銀行が、予定されていた最大116億円の融資を中止。TOBの期限は3度目の延長がされ、株式会社Tomorrowは新たな融資先を確保しようとしたが、外部の融資先は確保できず、最終的には出資元のモルガン・スタンレー系の投資ファンドからの融資を一旦実質的に確保した。ところが、前述の林勝哉社長の解任を契機に、株式会社Tomorrowが創業家に請求して応募を中止させたことから、2008年12月17日に買付予定数に達しなかったとしてTOBは不成立となり、MBOは失敗した。
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