杉浦譲
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/01 01:31 UTC 版)
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| 時代 | 江戸時代末期-明治時代初期 |
| 生誕 | 1835年11月15日 |
| 死没 | 1877年8月22日(41歳没) |
| 改名 | 幼名:昌太郎 |
| 別名 | 通称:愛蔵、字:子基、雅号:温斎・靄山など |
| 幕府 | 江戸幕府 外国奉行支配書物出役、調役、支配組頭 |
| 兄弟 | 弟日下冏(前名は杉浦禎次郎、甲府勤番日下章平の養子となる。会計検査院在任時に病死) |
| 杉浦 譲 | |
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大蔵省小丞准席
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内務省内務大書記官・地理局長
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杉浦 譲(すぎうら ゆずる、天保6年9月25日(1835年11月15日)- 明治10年(1877年)8月22日)は、幕末期の幕臣。明治初期の官僚。通称は愛蔵。幼名は昌太郎。字は子基。雅号は温斎、靄山など。甲斐国山梨郡府中(現在の山梨県甲府市)出身。
略歴
幕臣として外交に携わる
代々甲府勤番士を務める家に生まれる。勤番子弟の学問所である徽典館に入り、19歳で助教授となった。文久元年(1862年)に江戸に派遣され、外国奉行支配書物出役となり、後に調役に昇進。文久3年(1863年)に幕府の外交使節の一員としてフランスに派遣され、続いて慶応3年(1867年)にもパリ万国博覧会に派遣され、徳川昭武(清水徳川家当主)の随員として、渋沢栄一らと共に再び渡仏す。同年8月に任務により先行帰国。慶応4年(1868年)1月外国奉行支配組頭となるなど主に外交に携わった。
維新政府に出仕
明治維新後、新たな徳川宗家当主徳川家達に従い、静岡藩に移住したが、郷純造らの推挙で明治新政府に徴用され、民部省改正掛に入る。前島密と共に郵便制度の確立に努め[1]、前島が明治3年(1870年)の海外視察中に行われた郵便制度の開始時には責任者である駅逓権正の任にあり、制度の統一や郵便局の設置、郵便切手の製造などを行う[2]。後に駅逓正に昇進して地理権正も兼ねた。
東京日日新聞や富岡製糸場の創設に関与した他、早くから四民平等を唱えて解放令や地租改正の必要性を訴えた。後に組織再編によって大蔵省、太政官正院に転属。明治10年1月には内務省内務大書記官に任じられ地理局長に就いた。このころ気管支炎を発症していたが、官有林の調査整理、保持改良のために奔走中に肺炎で倒れ、満41歳(享年43)で死去した[3][4]。
東京都台東区谷中霊園乙3号7側に埋葬され墓碑もあったが、現在は撤去され、同霊園内に一括改葬した。
著書
明治4年(1871年)に、慶応3年(1867年)の西洋体験、記録類をもとにした『航西日記』[注釈 1]を、渋沢栄一と共著で刊行[5]、杉浦譲全集 第5巻に復刻版が収載されている 。
- 渋沢栄一(青淵)、杉浦靄人『航西日記 巻之1』耐寒同社、1871年。
- 渋沢栄一(青淵)、杉浦靄人『航西日記 巻之2』耐寒同社、1871年。
- 『杉浦譲全集 第1巻』杉浦譲全集刊行会、1978年。
- 『杉浦譲全集 第2巻』杉浦譲全集刊行会、1978年。
- 『杉浦譲全集 第3巻』杉浦譲全集刊行会、1978年。
- 『杉浦譲全集 第4巻』杉浦譲全集刊行会、1979年。
- 『杉浦譲全集 第5巻』杉浦譲全集刊行会、1979年。
杉浦譲が登場する作品
テレビドラマ
脚注
注釈
出典
- ^ 甲府で切手展 創始者の地元出身・杉浦譲を知って(2021年10月11日閲覧)
- ^ 高橋善七『初代駅逓正杉浦譲』1977年。
- ^ 中村弥六 著、川瀬善太郎 編『林業回顧録』1930年、16-17頁。
- ^ 高橋「官有林巡視、過労で殉職」『初代駅逓正杉浦譲』1977年、236-239頁。
- ^ “コーヒーをたしなんでいた渋沢栄一 徳川昭武の随員として渡欧 「航西日記」に体験記”(2021年10月11日閲覧)
参考文献
- 鈴木喜太郎「杉浦譲事跡」『甲斐路17号』(1970年)
- 高橋善七『初代駅逓正 杉浦譲 ある幕臣からみた明治維新』日本放送出版協会〈NHKブックス293〉、1977年。
- 中村弥六 著、川瀬善太郎 編『林業回顧録』大日本山林会、1930年。
外部リンク
| 公職 | ||
|---|---|---|
| 先代 田中光顕 |
1874年 - 1875年 |
次代 松田道之 |
| 先代 (新設→欠員) |
1871年 |
次代 浜口成則 |
杉浦愛蔵
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