札幌の裁判所へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/05 10:04 UTC 版)
天川は、病に伏す妻、幼い子供たちを家に残し札幌へ向かう。札幌の宿で首長らと面会した天川は、給与地問題の経緯について説明を受ける。翌日、天川は通訳として彼らとともに裁判所へ出頭した。天川らは検事から、アイヌへ拠出される予定の、「多額の移転料」について話を聞くことになった。「多額の移転料」とは総額六千八百円、内二千四百円は三浦市太郎の物になり、残りをアイヌで分けるという。アイヌの戸数は四十六のため、一戸あたり百円未満となり、それに加え鉄砲が与えられる、という内容だった。宿に帰った天川のもとに家からの電報が届き、妻の危篤を知らせるものだった。首長らは帰宅を勧めるが、「病人は医者に任せてこちらを頼む」とその他大勢の者から説得され、やむなくその場にとどまった。3月15日、裁判所に出頭し同じようなやり取りが繰り返された後、宿へ戻ると妻の死を知らせる電報が届く。最終的には、告訴は不起訴になった。北海道長官へ三浦の詐欺を訴えるべく札幌に二十日間とどまるが、門前払いの扱いであった。天川らは、東京の高官へ直訴する決意を固める。
※この「札幌の裁判所へ」の解説は、「天川恵三郎」の解説の一部です。
「札幌の裁判所へ」を含む「天川恵三郎」の記事については、「天川恵三郎」の概要を参照ください。
- 札幌の裁判所へのページへのリンク