木の上から落ちてくること
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 07:37 UTC 版)
「ヤマビル」の記事における「木の上から落ちてくること」の解説
ヤマビルは『木に登って通りすがりの獲物にくっついてくる』あるいは『樹上から獲物をめがけて落ちてくる』とはよくいわれる話で、さらには『樹上で狙いをつけると体を大きく降って飛びついてくる』と言った話も聞かれるものであるが、どうやら全て根拠のないものであるらしい。上記のようにヤマビルは地表かその近くに潜んで獲物を待ち、足を這い上ってくるもののようである。 樋口(2021)はこの点を本の題名に取り上げている。この書は著者が三重県の自然学習体験プログラムに参加し、その中で子供達とヤマビルに遭遇し、興味を持ったことから『子どもヤマビル研究会』を立ち上げた活動の顛末記であるが、2015年にこの問題をテーマとしたという。もし登って落ちたとしたらヒルはその後どうするのか、そもそもヒルが木に登るのを見たことがあるか、それ以前にヒルが上から落ちて人を襲うとすれば、隊列をなして歩いていると先頭が狙われるが、現実には後ろほど襲われることが多いのではないだろうか、と言った疑問に始まり、森の中でシートを広げ、そこに座り込んで落ちてくるのを待つ実験で落ちてこないのを確認、更に木に登らせることも試みたがヒルは全て降りるばかりであった。最後はレインコートを着込んで実際にヒルがやって来るのを検証し、ヒルは足元から登ってくるだけであると判断した。なお、この研究について発表した場でも『そんなはずはない、木から落ちてくるのだ』と主張する人は後を絶たず、具体的にこんな風に実験したのだと説明すると驚かれ呆れられ、それでも『でも木から来るもんな』と言いつつ立ち去る人が少なくなかったという。ちなみに研究会の子ども達はウィキペディアも確認しており、本記事から『上から落ちてくる』という記述が消えたときには歓声を上げたという。この件は『探偵ナイトスクープ』でも取り上げられ、2020年7月24日に『ヤマビルは木から落ちてくるか』で放映された。
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