有権者の動向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/10/10 02:37 UTC 版)
有権者の投票行動を分析してみると、欧州議会議員選挙では加盟国内の政治課題について争われ、有権者にとっては国内の政権に対する批判の機会とされていることがわかった。また投票率も1979年の初の選挙から次第に低下しており、当時に比べて権限が強化されているにもかかわらず、欧州議会に対する有権者の無関心が表れている。ケルンの政治学者らが近年まとめた調査結果で有権者の欧州統合に対する見方が示されている。それによると各国の政府は統合を推進しているのに対して、統合懐疑派の議員数は着実に増えており、調査を実施した研究者グループは、2009年の選挙では懐疑派だけが議席数を伸ばすという見通しを示している。またこの研究者グループは、各国の政府ではなく欧州連合に対する不満が投票率の低下を招いているともしている。 投票率の低下は大きな問題となっており、例えばイギリスでは1999年の欧州議会議員選挙のときに1100万人が投票したが、テレビ番組「ビッグ・ブラザー」(イギリス・2002年)では2300万人が投票に参加していた。1999年以降、欧州議会議員選挙の投票率は50%を下回っているが、アメリカの中間選挙で記録するような40%を下回るといったことはこれまでにはない。しかしながら両者の状況は異なるものであり、アメリカでは大統領選挙が別に行われることもあって、低投票率が問題になることはあまりないが、欧州連合の場合は欧州委員会委員長の人選につながるため(後述)、投票率の低下には批判が起こっている。これに対しては元欧州議会議長パット・コックスなど一部が、1999年の欧州議会議員選挙での投票率は1996年のアメリカ大統領選挙での投票率を上回っていた、と述べている。
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