更なる結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 15:11 UTC 版)
もっと一般に、C が十分多くの入射対象を持つアーベル圏ならば、CI もそうで、従って射影極限函手の右導来函手が定まる。 n-次の右導来函手を R n lim ← : C I → C {\displaystyle R^{n}\varprojlim \colon C^{I}\to C} で表す。C がグロタンディークの公理 (AB4*) を満足する場合には、ジャン=エリック・ルースが AbI 上の函手 lim1を lim ← n ≅ R n lim ← {\displaystyle \varprojlim \nolimits ^{n}\cong R^{n}\varprojlim } なる函手の系列 limn へ一般化した。ルースは凡そ40年を掛け、Roos (1961)「lim の導来函手における応用」において、I が非負整数で遷移射が全射となるような逆系(ミッターク=レフラー列) (Ai, fij) に対して、lim1 Ai = 0 となることを示した。しかし、2002年にアムノン・ニーマンとピエール・ドリーニュは (AB4*) に加えて (AB4) を満足する圏における同様の逆系でlim1 Ai ≠ 0 なる例を構成する。その後ルースは、Roos (2006)「逆極限の導来函手再考」において、彼の結果は((AB3) と (AB4*) に加えて)C が生成系を持つならば正しくなるということを示した。 バリー・ミッチェルは、"The cohomological dimension of a directed set"(「有向集合のコホモロジー次元」)において、I が 濃度 ℵd(d 番目のアレフ数)を持つならば、Rnlim は n ≥ d + 2 なる全ての n について 0 になることを示した。これは可換環 R 上の R-加群の圏 R-Mod において I で添字付けられた図式に適用することができる。ここで R-加群の圏でなく任意のアーベル圏とすると必ずしも成立しない(可算集合で添字付けられる図式上で limn が 0 とならないようなアーベル圏の例については (Roos 2006) を参照)。
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