更なる考察の勧奨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 09:33 UTC 版)
「クラテュロス (対話篇)」の記事における「更なる考察の勧奨」の解説
そしてソクラテスは、事実は自分が今言った通りなのか、それともヘラクレイトス等の「万物流動説」の通りなのかは分からないし、見極めるのも容易ではないが、少なくとも、自分の魂の世話(教育)を「名前」に委ね、命名者たちを信頼し切り、それで自分が何かいっぱしのことを知っているかのように主張することや、「自分自身」も「万物」も流動するものであるとしてそこで思考を停止・放棄してしまうような態度は、分別のある人間のすることではないと指摘しつつ、若いクラテュロスにさらなる考察を奨励する。 クラテュロスは、ソクラテスの奨励を半ば受け入れつつも、既にこの問題(事物が「恒常」か「流動」かの問題)については苦労して考察済みであり、ヘラクレイトスの言っている通りに思えると主張する。 ソクラテスは、その話は次の機会にすることにして、田舎へと向かうクラテュロスを送り出す。クラテュロスは、次会うまでにソクラテスもこの問題(事物が「恒常」か「流動」かの問題)を考えておいて欲しいと依頼する。
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