曲集の変遷の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/16 19:21 UTC 版)
「詩的で宗教的な調べ」の記事における「曲集の変遷の概要」の解説
現在よく演奏される第3稿 S.173に至るまで、単一曲である S.154、組曲としての第1稿 S.171d、第2稿 S.172a、第3稿 S.173、と約20年にわたって(リストの他作品と比べても)多くの大きな変更・見直しが行われており、彼の特別な思い入れが伝わる経緯を持っている。 1834年、若きリストはラマルティーヌの詩集「詩的で宗教的な調べ」に感銘を受け、同名の標題音楽「詩的で宗教的な調べ」を作曲し、翌年音楽雑誌「ガゼット・ミュジカル」の付録として発表した。これは現在知られている組曲ではなく単一曲であり、後に最終版 S.173の第4曲「亡き人たちの思い」となった原曲である(改訂については「改訂の歴史」の節を参照)。 最終版 S.173の第3曲「孤独の中の神の祝福」及び第7曲「葬送曲」が名曲として非常に有名であり単独でよく演奏されるが、そもそもリストは、後に最終版 S.173の第4曲「亡き人たちの思い」となる1曲だけで第1稿 S.154を「詩的で宗教的な調べ」として発表していたことからも、リストはこの曲の中で最終版 S.173の第4曲を中心に位置づけて組曲全体を構築していったことが推察される。作曲技法の上でも、最終版 S.173の第4曲では当時の音楽にとって全くの前衛音楽とも言える驚くべき斬新な技法を多用しており、彼の特別な挑戦が感じられる。
※この「曲集の変遷の概要」の解説は、「詩的で宗教的な調べ」の解説の一部です。
「曲集の変遷の概要」を含む「詩的で宗教的な調べ」の記事については、「詩的で宗教的な調べ」の概要を参照ください。
- 曲集の変遷の概要のページへのリンク