時差出勤
出勤時刻をずらすこと。サマータイム制で導入されたり、個々に実施されたりする。
時差出勤を行うことで、一般的な出勤時刻を避け、交通機関の混雑ピークを回避できるほか、早めに出勤すれば自ずと退勤時刻も早くなるため、早朝の涼しさを享受した分だけ冷房設備の電力を節約したり、夕方以降に照明として用いる電力を節約したり、といった節電効果が期待できる。
2011年の夏は東日本大震災と東京電力の原発事故などにより、首都圏などで夏場の電力不足が懸念されている。その中でサマータイム制による時差出勤を導入する企業も増えている。2011年6月には、東京都もサマータイムの導入を進め、都職員には複数パターンの時刻で時差出勤をさせる旨を発表している。
時差出勤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2024/10/25 13:06 UTC 版)
時差出勤（じさしゅっきん）ないしは時差通勤[1][2]（じさつうきん）、オフピーク通勤[3]（オフピークつうきん）は交通機関の混雑緩和などのため業務の始業時間や終業時間を基準の時刻を早める、遅らせることを容認することまたはその制度。
概要
1950年代後半（昭和30年代）には東京への人口集中が始まり、鉄道路線の朝のラッシュは通勤地獄と化した。このことから日本経済団体連合会などが時差出勤を提唱。これを受けて東京都庁が1961年（昭和36年）2月1日、出勤時間を45分繰り下げて9時15分としたことに始まる[4]。
2020年代においては、コロナ禍における新しい働き方としてテレワークとともに注目されている[2][5]。 2023年3月18日から、JR東日本は、平日朝のピーク時間をさけた乗車で割安になる「オフピーク定期券」の販売を始める[6]。
メリット
日本の首都圏においては、ラッシュアワーでの混雑が日常となっているため、従業員が通勤だけで体力を奪われてしまうことがある。時差出勤をすることで、従業員の体力を温存させ疲労を抑えることができるとされる。また、人混みを回避できるため新型コロナウイルスの感染リスクを減らすこともできる[5]。
また、子育てや介護といった家庭の問題を抱えている従業員がいた場合、ある程度の時間をコントロールできるため家庭と仕事を両立しやすくなる[5]。そのため、これらの事情で離職・休職をせざるをえない従業員の離職・休職の防止にもつながる[7]。
その他にも残業の軽減などの効果があり従業員のストレス軽減につながる。結果として、従業員の時間の使い方の幅が広がり、企業への信頼や生産性向上に期待ができる[5]。
デメリット
勤怠管理システムの導入や設定、申請方法などを大きく変える必要がある[5]。
また、他の従業員と連携がとりにくくなるため業務に支障が出ることが考えられる[5]。
関連項目
脚注
- ^ “「通勤・通学が快適」な家選び、鉄道混雑率だけじゃない意外な探し方とは（ダイヤモンド・オンライン）”. Yahoo!ニュース. 2022年9月3日閲覧。
- ^ a b 日本国語大辞典,デジタル大辞泉, 精選版. “時差出勤とは”. コトバンク. 2022年9月3日閲覧。
- ^ 知恵蔵. “オフピーク通勤とは”. コトバンク. 2022年9月3日閲覧。
- ^ 世相風俗観察会『現代世相風俗史年表：1945-2008』河出書房新社、2009年3月、101頁。ISBN 9784309225043。
- ^ a b c d e f “時差出勤の効果とは？時差出勤の目的とメリット・デメリット | ビジネスチャットならChatwork”. お役立ちコラム. 2022年9月3日閲覧。
- ^ “オフピーク定期、来年3月18日開始 東京―千葉は2220円お得に：朝日新聞デジタル”. 朝日新聞. 2022年12月29日閲覧。
- ^ “時差出勤に効果はある？導入までの4ステップや注意点を解説 | 記事・トピックス一覧 | 法人のお客さま”. PERSOL（パーソル）グループ. 2022年9月3日閲覧。
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