時の鐘_(川越市)とは? わかりやすく解説

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時の鐘 (川越市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/26 05:27 UTC 版)

時の鐘
情報
用途 時計台
管理運営 埼玉県川越市
階数 3
高さ 約16m
改築 1894年
所在地 350-8601
埼玉県川越市幸町15-7
座標 北緯35度55分24.56秒 東経139度28分59.93秒 / 北緯35.9234889度 東経139.4833139度 / 35.9234889; 139.4833139
文化財 川越市指定有形文化財
指定・登録等日 1958年昭和33年)3月6日
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時の鐘(ときのかね)は、埼玉県川越市の中心部、幸町北部の蔵造りの街並みに建てられている鐘楼時計台)。建物は、川越市指定有形文化財に指定されている[1]

概要

川越の蔵造りの街並みを代表する観光名所で市のシンボルとなっている。地元では鐘撞堂(かねつきどう)と呼ばれることが多い。3層構造の塔で、高さは16メートル。古くは鐘撞きが決まった時間に時を知らせていたが、現在では自動で1日4回(午前6時、正午、午後3時、午後6時)川越城下に時を知らせている。

塔をくぐると薬師神社(もと瑞光山醫王院常蓮寺)の境内になっている。神社は病気平癒、特に眼病に対してご利益があるとされる。

歴史

江戸時代寛永年間に川越藩主・酒井忠勝によって建設されたのが始まりであるが[2][3][4]、火災によりたびたび焼失しており、『武蔵三芳野名勝図会』に拠れば、1654年承応3年)正月には川越藩主の松平信綱が椎名兵庫に命じて新たな鐘を鋳造させたという[2]

さらに『名所図会』に拠れば、1704年宝永元年)、甲斐国都留郡を支配する谷村藩(現在の山梨県都留市谷村)主の秋元氏が川越藩に転封され、谷村城下の鐘が川越に持ち込まれた[2]。この鐘は1694年元禄7年)7月に谷村城下の鋳物師が鋳造したものであるという[2]

時の鐘
昭和初年の現存する多賀町の時の鐘で、明治27年の再建。棟梁は関根松五郎、釣鐘は矢沢四郎右衛門の鋳造である。スイス製のモバード(Movado)の時計をたよりに、正確に鐘をつくのが何より自慢の岩内老人は時計男の異名をとり、第二次世界大戦の直前まで町中に鐘を鳴り響かせていた。今では旧城下町と蔵造り観光の象徴となっている。 — 岡村一郎著『写真集 明治大正昭和 川越』ふるさとの想い出 より抜粋[5]

現在の鐘楼は4代目で、1893年明治26年)に起きた川越大火の翌年に関根松五郎の設計[4]で再建されたものである。この再建に際しては、川越商業銀行を創設した竹谷兼吉らの川越商人や川越を選挙区とした高田早苗らが寄付を集め、晩年を川越で過ごした渋沢栄一の資金援助や明治天皇からの下勅金、さらには原善三郎茂木惣兵衛など川越に所縁のある市外の実業家の献金があった。

鐘楼建物は1958年昭和33年)3月6日に川越市指定有形文化財に指定され[1]1996年平成8年)には、日本の音風景100選に選ばれた。  

耐震補強工事

2015年から2017年にかけて、時の鐘では耐震化工事と1960年の工事以来の半解体を伴う総工費1億円[4]の大修復が行われた[6]。これは、2015年の耐震診断で、大地震が発生した際倒壊する恐れが指摘されたためである[7]。耐震化工事では、地下に60トンのコンクリートを流し込み耐圧板としたり、外板を新しくしたりするなど、大がかりな工事が行われた[6]。工事により、建設当初の姿も分かった[6]

工事に伴い、2015年9月から囲いが設けられ、2016年4月からは足場に覆われていたが、10月には足場が、12月には囲いも外され、2017年1月9日に工事が完全に終了し、完成を記念する式典が行われた[6][7]

画像ギャラリー

出典

  1. ^ a b 有形文化財(建造物)一覧 - 川越市、2016年10月18日閲覧。
  2. ^ a b c d 大野(2010)、p.131
  3. ^ 時の鐘 - 小江戸川越観光協会、2017年1月23日閲覧。
  4. ^ a b c きょうお披露目 57年ぶり改修工事終了 川越 /埼玉[リンク切れ] - 毎日新聞、2017年1月10日閲覧。
  5. ^ 岡村一郎著『写真集 明治大正昭和 川越』ふるさとの想い出、図書刊行会、昭和53年、国立国会図書館蔵書、2019年3月22日閲覧
  6. ^ a b c d 埼玉)川越「時の鐘」、9日に完成式 大修復終える[リンク切れ] - 朝日新聞、2017年1月9日閲覧。
  7. ^ a b 「時の鐘」の音、10カ月ぶり響く 川越で耐震化工事完成記念式典 埼玉”. 産経ニュース. 産経新聞 (2017年1月10日). 2021年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月10日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


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