春楡(チキサニ)の上に太陽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/14 06:22 UTC 版)
「太陽の王子 ホルスの大冒険」の記事における「春楡(チキサニ)の上に太陽」の解説
『春楡(チキサニ)の上に太陽』はアイヌの民族叙事詩「ユーカラ」を題材とした人形劇である。人形劇団・人形座によって1959年夏に上演された。 知里幸恵の『アイヌ神謡集』に収録された、オキクルミと「悪魔の子」の争いを扱った話を題材に、脚本の深沢が創案した「悪魔(人形劇では「モシロアシタ」)の妹」であるチキサニを加え、アイヌの村人も含めた交流と戦いを描いた。チキサニはオキクルミに誘われたアイヌの集落での暮らしに惹かれながらも兄の命令との間で苦悩し、最後は兄がオキクルミに放った矢を身代わりとして受け絶命する。そのあと、アイヌたちとオキクルミは力を合わせてモシロアシタを倒す。 1959年7月に東京で初演され、8月にはNHKテレビでの放映もあった。『ホルス』の最初のスタッフとなる大塚と高畑は、1959年8月の人形座東京公演を観覧したとみられている。しかし、本作は「舞台規模が大きく旅上演に不向き」という理由で翌年には演目からはずされた(劇団は小中学校を中心とした地方巡業に収入を依存していた)。その後、人形座は経済的な理由で1963年に解散した。 1983年に徳間書店が『ロマンアルバム・エクセレント(60) 太陽の王子ホルスの大冒険』を刊行した際に、『チキサニの太陽』のタイトルで本作を紹介した。『ロマンアルバム』に掲載された『春楡の上に太陽』に関する資料は東京公演時のプログラム表紙のみで、「編集部で入手できた」唯一の資料と紹介されている。 アイヌ民族叙事詩より『春楡(チキサニ)の上に太陽』 オキクルミと悪魔の子
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