日本人拉致問題に関する記述
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 07:43 UTC 版)
「李鍾植」の記事における「日本人拉致問題に関する記述」の解説
著作にはラングーン事件、大韓航空機爆破事件など、北朝鮮の関与とされた事件に関しての記述も多い。 北朝鮮による日本人拉致問題に関しては、横田めぐみ生存説に関して諜報機関員の間で指摘される「ふたつの仮説」に言及している。その1つは日本のメディアでも取り上げられる、横田めぐみが金正日ロイヤルファミリーの日本語教師に抜擢されたため、一族の秘密を知る重要人物となってしまったというもの。もう1つは、大韓航空機爆破事件の蜂谷真一(金勝一)らに日本人の父親像を教える役目を負ったというもの。後者の場合、本来否定していた大韓航空機爆破事件への北朝鮮の関与の事実が明るみに出てしまうため、日本に帰国させることができないというもの。これは、李恩恵とされた田口八重子の拉致事件のケースも同じである。 また拉致問題に関して、在日朝鮮人として日本に生まれ育ち、在日韓国諜報部員として働いた著者の目からみて、北朝鮮工作員らの教育係や日本語教師の役目をさせるために、日本人をわざわざ拉致することの不自然さを述べている。日本には、日本語と朝鮮語の両方に堪能な在日朝鮮人・在日韓国人は数多く存在していること。また、朝鮮総連の事務所が日本全国にあり、在日朝鮮人が日本の風習や生活習慣に精通するのは難しいことではなく、「祖国訪問」の名目で北朝鮮へも渡航できたため、日本人拉致は逆にリスクが高いと疑問を投げかけている。この事件の背景について著者は、映画好きで『007シリーズ』ファンでもある金正日が、父親金日成から朝鮮労働党調査部の実権を授けられた頃からジェームズ・ボンドよろしく荒唐無稽な作戦を立案し、それを実行したがために起こってしまった可能性に言及している。
※この「日本人拉致問題に関する記述」の解説は、「李鍾植」の解説の一部です。
「日本人拉致問題に関する記述」を含む「李鍾植」の記事については、「李鍾植」の概要を参照ください。
- 日本人拉致問題に関する記述のページへのリンク