日本における誘導馬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 15:51 UTC 版)
日本においては、パドックから本馬場まで出走馬を先導する役割が与えられ、誘導馬は多くの場合、隊列の先頭と最後尾を歩く。通常先導役は1頭であるが、中央競馬のGI競走においては3頭の誘導馬が先導を担う。また、国際競走で外国馬が出走する場合には、先導役とは別に、出走する競走馬の調教国の国旗を携えた誘導馬も合わせて入場する。競走馬以外にもイベントとして馬場で行われるパレードや楽隊などの先導や、レース開始前に観客を入場ゲートで出迎えるグリーディング役を務めることもある。 また、日常的に馬場管理のために巡回する職員が乗用し、放馬などのアクシデントが発生した場合は当該の馬をなだめて落ち着かせる役も担う場合があるなど、その任務は単なる先導役にとどまらず、非常に幅広いものがある。 担当馬にはかつて競走馬だった馬のうち、性格的に温和で毛色が芦毛、黒鹿毛、尾花栗毛、白毛など見栄えのするものが選ばれることが多い(トウショウファルコ、ホワイトベッセルなど)。また、重賞競走の優勝馬・入着馬など優秀な成績を残しながらも種牡馬にならなかった馬を、その知名度も勘案して選ぶこともある(マイネルホウオウ、ビートブラックなど)。なお、地方競馬の競馬場では競走馬経験のない馬が誘導馬を務めるケースや、元競走馬ではなく当初から誘導馬として導入されたクォーターホース種などが用いられている場合もあるが、2007年以降は経営状況の悪化に伴い、誘導馬の起用をやめたり、出番を減らしたりする競馬場も増えた 。 誘導馬に騎乗するのは競馬場の職員や乗馬クラブの所属者で、また、川崎や浦和の様にトレーニングセンターが別にあり普段馬がいない競馬場では開催日の必要に応じて周辺地域の乗馬クラブから人馬をまとめて用立てるケースもある。川崎競馬場では誘導馬に着物を着せるなどの装飾を施している。近年の中央競馬ではGIレース時にゲストとして招かれた芸能人が騎乗することもある。 なお、中央競馬の誘導馬が在厩中に死亡した場合、そのことを公表することは少ないが、人気の高かった馬の場合、例外として公表される場合がある(ホワイトベッセル、トウカイトリックなど)。
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