日本における「クィア」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 13:50 UTC 版)
日本における本語の普及は『クィア・パラダイス 「性」の迷宮へようこそ』(対談集、1996、翔泳社)の執筆、雑誌『クィア・ジャパン』(1999-2001、勁草書房)、『クィア・ジャパン・リターンズ』(2005、ポット出版)の編集長としての、伏見憲明の労に依る面が大きい。 文学研究者の竹村和子は、クィアという言葉が、ファッショナブルに消費される可能性について、「変態」という常ならざるという立場を積極的に活かして、「変態理論」という訳も可能であることについて述べている(小森陽一 『研究する意味』、東京図書、2003年)。 また、「クィア」という語を「定義」するか否かについて、社会学者の上野千鶴子と心理学者の小倉千加子が、『ザ・フェミニズム』(筑摩書房、2002年3月、ISBN 4480863370)の中で議論している。上野はクィアを定義する必要を感じないことを主張し、小倉は一度定義し、突き壊すべきではないかと主張している。 いずれにせよ現在の日本においては、英語圏におけるQueerという語の毒々しさ、それをあえて逆手にとるという戦略的な意味合いが薄れ、性的少数者やLGBTと同義か、ほとんど区別されない形で雑に用いられがちである。イベントや団体の名称に用いられることも増えている。
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