日本での発足
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 02:17 UTC 版)
日本では、1967年(昭和42年)8月に大阪大学医学部附属病院内で「特殊救急部」との名称で発足したのが初めだと言われ、当時に救命を要する患者に対して病院を「たらい回しにされる事態」が問われていた。これは当時、救急診療は各診療科や当直医の裁量で行われ多発外傷のような複数科にまたがる救命医療を専門的に行う診療科が存在しなかったためである。 なおこの「特殊救急部」は救急医療を行う診療部門ではあったが、外傷外科と呼ばれ、胸腹部外傷や広範囲熱傷といった重症の外科系救急医療を手術・入院も含めた診療を自部門で完結して実施していた。当時、救急医学の概念も救急医療システムもなかった日本に日本救急医学会の創設や全国に救命救急センターが設置されるきっかけになったが、前述の内科系外科系重症度を問わず初期救急診療を行う「北米型ER」とは趣がことなるので注意が必要である。なお、大阪大学医学部附属病院に存在した特殊救急部は、救命救急センターの法制化とともに改組されて現在、名称も高度救命救急センターとなっている。
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