方言シフト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 16:11 UTC 版)
「外国地名および国名の漢字表記一覧」の記事における「方言シフト」の解説
漢字の音は、もとより中国語の発音に基づくものだが、その字音が日本に伝来した時代や、標準とする方言の違いなどにより、呉音・漢音その他、異なる音韻体系を成す。19世紀の中国において、前期には西洋と接する窓口のあった広州音に基づいて「米」「仏」と表記されていたのが、後期には西学東漸の中心地が上海に移り、上海音ないしは官話音に基づく「美」「法」という表記に移行していった例が知られる。この現象を千葉 (2003)は「方言シフト」と呼称している。このように音韻構造に差異が生じ、外国地名を音訳する際に選択される漢字が日中双方、さらには中国の各地方で異なることもある。一方で「英」は、広州音と上海音・官話音との音の差が小さかったため、「方言シフト」の適用を免れた表記の例である。
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